梅しごと

 5月の下旬にはいると、梅の気配がしてくる。梅仕事はなにより好きなもののひとつだけれど、タイミング、時間、容器などのあれこれがぐるぐると頭をめぐり、なにを、どれだけ作りたいか、そして実現可能なのかがわからなくなってしまい機をのがす、ということが続いていた。
 梅干しを漬けるなら10キロ、けれども容器が....重しも落し蓋も必要だし....のスパイラルが今年もはじまり、途方に暮れていたところ、オーガニックマーケットで黄色く熟れた小梅を目撃してしまった。後先考えず6キロ持ち帰り、なんとか仕込んだその数日後、「知り合いのひとが梅くれるっていうんだけどいる?無農薬で、立派だよ」と、ご近所の方から声をかけていただく。こちらも「いります!」と即答。翌日立派な梅が3キロほど届き、みりん梅酒と梅シロップを仕込んだ。

 その数日後、長崎に住まういとこから小包が届いた。品名は「野菜」とあるが、あけてみるとらっきょうが山ほど!太ったみごとならっきょうで、鹿児島のご主人のご実家から届いたものをおすそ分けくださったのだった。今年はらっきょうどころか梅すら難しいかも...と思っていたのが、夢のように、たたみかけるように、両方かなった、とひそかに感激しながら夕方の台所でらっきょうをむく。お酒好きの師匠に、ちいさなひと瓶送りたい、などと思いながら。
 らっきょうの漬け方もいろいろで、インターネットで調べれば調べるほど沢山のレシピの渦に巻き込まれ、訳がわからなくなってくるのが困りものである。今年は洗って皮をむき(薄い皮とその下もう一枚)、よく拭いて瓶に入れ、上から酢、水、塩、てんさい糖(300cc+300cc+大匙3+150g)を火にかけて熱くしたものを上から注ぐ、という方式を採用した。一番手軽な方法だとおもうが、最後に思いつきで、唐辛子のたねを抜いたもの、皮ごとのにんにくを投入した。
成果は3週間後に。



来年は...梅干し10キロ 小梅5キロ 梅酒ふた瓶 みりん梅酒ひと瓶 梅シロップふた瓶 らっきょう4キロ(塩漬け2キロと甘酢漬け2キロ)

茶摘みと紅茶づくり

高知で20年近く、自然に近い素敵な暮らしをされている早川ユミさんが、毎年お茶を摘んで自家用の紅茶を手作りされていると読んで、いつか自分もやってみたいものだと思い続けていました。

その時は唐突にやってきました。ご近所の方に「いつか茶摘みがしたい」という漠然とした夢を打ち明けたら、「え?今ちょうど新芽が出ているよ。急がないと。うちで摘む?」と言っていただき、大慌てで早川ユミさんの本で紅茶の作り方を頭にたたき込み、竹かご持参で参上しました。

昔は、どこの家でも、生垣にお茶の木を何本も生やしておき、自家用のお茶を手作りしていたとか。農作業にお湯だけ持って行って、お茶の葉っぱをその場でパパッと摘んで、チャチャッと揉んで、即席のお茶で喉をうるおしたという話まであり、かっこいいなぁと思います。

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やわらかいお茶の新芽をかごに摘んでいくと、何とも言えない香気がふわりと立ち上り、それは幸せな気持ちになります。この香り高い新芽は、ファーストフラッシュと呼ばれ、春摘みの紅茶として尊ばれるようですが、実は味わいには少し欠けるそう。6月以降に摘む夏のセカンドフラッシュの方が、しっかりした味わいの紅茶を作れるらしく、そうした季節ごとのお茶の味というのもたのしみです。

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摘んだ葉っぱは、まずこうしてざるに並べ、「萎凋(いちょう)」という陰干しをします。やり方はいろいろのようですが、紅茶の場合は「一晩陰干し」が一般的のようです。でも、せっかく自分で作るお茶ですから、とらわれずにやってみたい。少し烏龍茶のようなフレッシュな香りの残る紅茶を作ってみたいなと思い、烏龍茶と同じように最初に日光に数十分当ててから3時間ほど陰干ししてみました。

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少ししんなりした緑の葉っぱを、大きなボウルの中で30分くらい力強く揉みます。できるだけ葉っぱに傷をつくり、中から酵素を出すのが肝らしいです。初心者なので加減は分かりませんが、両手のひらですり合わせたり、パンのようにこねたり、子どもたちにも手伝ってもらいながら、ひたすら30分。すると中から水分が出てきてジットリグッチャリしてきます。

揉み終わったら、濡れ布巾につつんで25℃〜30℃で数時間醗酵させます。早川ユミさんは薪風呂の残り湯で一晩醗酵させるそうです。わが家もさっそく試してみましたが、初心者なので、寝ている間に醗酵具合を確認できないのが不便で(何をもって醗酵終了なのかがよく分からないので、時々香りを嗅ぎながら、紅茶のような香りに変化してきたタイミングを見極めたいと思うため)、2回目からは「ビニール袋に入れて、適度に日の当たる場所で数時間」という方式で醗酵させています。

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醗酵が完了したら、あとは天日でカラカラに乾かすだけ。一度目は雨が降り出してしまい、低温オーブンで乾燥させたら、なかなか乾かず、延々と乾かしていたら芳香がすべて飛んでしまい、とても残念な仕上がりになってしまいました。なので、2回目からは必ず天日でガッと乾かし、途中で日が暮れてしまったら、鉄なべでさっと煎って最後の水分を飛ばします。天気予報を見ながらの茶摘みが鉄則です。まだ浅い経験ですが、この「乾かす」時間を短くすることで香りをよりフレッシュに保てるような気がするので、最初の「萎凋」であらかじめほどよく水分を飛ばしておくのもとても重要なのかなと思います。

できあがった紅茶を、摘ませていただいたお宅にお礼に持っていくと、「うん、おいしい」「烏龍茶だね」(笑)。初めてにしては大満足のおいしさで、ねらいどおり、烏龍茶と紅茶の中間のようなお茶ができあがりました。

大きな竹かごいっぱいに摘んだ400グラムほどの茶葉から出来上がる紅茶はわずか100グラム程度。おそろしく手間暇かかるお茶ですが、何より「たのしい」「うれしい」。子どもたちも「お茶ってつくれるんだね!」とにっこり。揉み具合や醗酵具合などでいろいろ風味を変えていけるのかなと思うと、なかなかに奥の深い手作り茶の世界。これから毎年たのしんでいけそうです。

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